約 1,928,741 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7128.html
前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました 01.夢と現の境界(*1) 「へぇ、東方、終わるんだ」(*2) 自室で修理から戻ってきたノートパソコンを起動し、久しぶりにインターネットを見ていた 平賀才人は、そんな記事を目にしていた。 東方プロジェクト――同人にあまり興味のない彼でも知っているそれは、シューティング ゲームを中心に音楽、漫画等に展開する一連の作品群であり、ゲームに関しては『神主』と 呼ばれる一人の人間の手により全てが創られていることは、あまりにも有名である。 彼が見たのはその『神主』が数ヶ月ぶりに更新したブログで、これ以降東方プロジェクトを 冠する作品は創らないと宣言した、という記事だった。 「やっぱ、へんな動画とか作られたからかな?」(*3) 彼が東方を知ったのも動画共有サイトにあげられた、通称マッドムービーからである。 とはいっても知っているのはそれぐらいだ。ゲーム自体を遊んだことがあるわけでもない。 思い入れもない。彼にとってそれは、多くの中の一つでしかないのだ。 「おっ、返事が来てるじゃん……えっ、明日!?」 出会い系からのメールが来ていることに気がつき、才人は急いで立ち上がった。 明日の準備をしなければ。 「才人、なにやってるの? もうご飯よ」 「はーい」 母親の呼び声に、ノートパソコンを閉じる。そういえば今日の夕飯は好物のハンバーグ だっけ。自室の扉を閉める頃にはもう頭の中は、夕飯のハンバーグと、明日会う女の子の ことで一杯になっていた。(*4) こうしてまた一人、東方プロジェクトを――幻想郷を気にとめる人がいなくなった。こうして 幻想郷は世の人から忘れられていくのだろう。 さて、幻想郷は世界の非常識が集まる場所。世の中から忘れられたものが集うところ。 ならば、幻想郷自体が世間から忘れられたとしたら―― *1 タイトルは音楽アルバム「夢違科学世紀」内の曲名より借用 *2 このお話はフィクションです。妄想です。或る意味、夢です、タイトル的に。 *3 バーのマスターになる準備が整ったとか、酒に関係する理由である可能性の方が高い。神主的に。 *4 きっと頭の中の妄想彼女は、ロリ系ツンデレ少女。本来的に。 *5 脚注も必要だと思った。求聞史紀的に。 前ページ次ページ東方のキャラたちがルイズたちに召喚されました
https://w.atwiki.jp/2jiwiki/pages/336.html
ルイズ 誕生日: 2006/07/02(アニメ「ゼロの使い魔」放送開始日) 主な活動場所: img 概要: 別名:レモンちゃん。 「」にセクハラされたり使い魔を召喚する際に変なものを呼び出したり巨女にされたりといろいろな目にあっている。 全てが同一キャラ扱いではなく、4種類以上のスレに個別の彼女が存在している。 解説: 【元ネタ】 アニメ&漫画版「ゼロの使い魔」のルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 【二次裏での動向】 とある同人誌の使い魔を召喚して契約するシーンで他の作品をはじめ様々なキャラを召喚してしまうコラが作られた。 ベル様のスレでは彼女を召喚してしまい、つい彼女のジャージ姿をけなしたために故郷のハルケギニアを滅ぼされてしまい、元通りに直したときにもう一人の自分が作られたため居場所を失って虹裏町の「」ィザード(未)のアパートに居候するはめになった。ベル様を恐れてしばらく押入れに引きこもる日々が続いた後、ゆりえ様(未)の神通力によって日本語を憶えたが同時に故郷を一度滅ぼした原因が自分に有った事を理解してしまい、ますます引きこもることになった。 「こ…こんなのが神聖で美しくそして強力な…私の使い魔…?」 カテゴリ: アニメネタ 漫画ネタ 関連項目: ベル様 関連リンク: なし 上に戻る memo: 訂正、追加情報等。 名前 コメント 最終更新日:2012年05月14日 (月) 04時34分28秒
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/720.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (3)錬金術の教示 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ、今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことに感謝します」 食堂での朝食が始まった。 ここは若い少年少女達がその旺盛な食欲を満たし、あるいは共同生活を送る仲間との連帯感を高める場である。 そんな若者達の中、初老の男が一人。 そう、ルイズ・ド・ヴァリエールの使い魔となったメイジ・ウルザである。 本来なら使い魔であるし執事という立場を取らせると決めたのであるから、食事はあとで別に取ってもらうのが筋なのだが、生憎とメイジと使い魔の関係初日のルイズがそのような手配を行っているわけが無かった。 しょうがないので、今日は同席ということになり、今ウルザはルイズの横に座っているのだ。 勿論、少年少女達の中にとあって、周囲からは距離をとられている、かなり。 ゼロのルイズが高位のメイジを召喚したということは、すでに学院中に知れ渡っており、同席した生徒は皆そのメイジがルイズの隣に座っている男だということに気付いていた。 (重い、重いわ…空気が重いわ…) 周りがウルザに身体的にも精神的に距離を取っている為なのだが、隣のルイズにはたまったものではない。 (何か…何か考えなくちゃ……っ!) その時、ルイズはふっと誰かの視線を感じた。 きょろきょろと周りを見回してみると、視線の主は直ぐに見つかった。 長身に、同世代とは思えない発育の良さ、燃えるように赤い髪。 そして、今はその頬も茹で上がったように紅潮している。加えて瞳も潤んでいる。 (ちょっ!ツェルプストー!あんたっ!何で私!そんな趣味はないわよっ!) 昨日から何度目か分からない悪寒を感じで体を震わせた。 しかし、注意深く、かつ相手に気付かれないように視線を追ってみると、微妙に自分が相手では無いことに気付いた。 そう、視線の先は………横にいる男に向けられていた。 キュルケの唇が何事か呟くのが見えた。 当然ながら、ルイズは読唇術も読心術も使えない。 しかし、この時ばかりはキュルケがなんと呟いたのかを明白に理解することが出来た。 ――素敵なおじさま… 食事が終わり、教室へ向かう最中のことである。 「ミス!ミス・ヴァリエール!ミスタ・ウルザ!」 「あ、おはようございます。ミスタ・コルベール」 「おはようございます。ミスタ・コルベール」 禿げ上がった頭の教師、コルベールに声をかけられたのである。 「すみませんが、ミスタ・ウルザの左手のルーン文字を見せて頂きたいのですが」 「私は別に構いませんが…ミスタ・ウルザも構わないかしら?」 「無論。私も異議はありません」 ウルザが左手を出すと、コルベールは素早くメモをとり始めた。 「いやはや、召喚の儀式の後、ずっとこのルーンのことを調べているんだよ」 「え?どうかしたんですか?」 「メイジを召喚したなんて前例が無いからね、おまけに君が召喚したというのも……まあ、兎にも角にも知的好奇心が刺激されてしまってね!」 「ふむふむ、成程。そういうことでしたら今晩ご一緒に分かったことについて報告し合うというのは如何ですかな?」 「おお!?既にご自身で解読がお進みでしたか!?流石ですなミスタ・ウルザ!しかし、こちらはまだ報告するほどには…」 「いやいや、ミスタコルベール、私は貴方の意見が……」 「おおっ!……でしたら……!」 「それは……たい……是非……」 「…っ!……!!」 ルイズは妙に盛り上がる二人を置いて教室に急ぐのであった。 「―――というわけで、皆さんご存知の通り、魔法の四大系統「火」「水」「土」「風」「虚無」、五つの系統がある訳ですが、その中で「土」は万物の組成を司る重要な系統なのです」 今日の授業は赤土のシュヴルーズ教師の錬金の授業である。 なお、使い魔であるメイジは先ほどふらりと教室に入り、今は授業を聞きながら一心不乱にメモを取っている。 (メイジなのに、こんな初歩的な授業を受けて楽しいのかしら?) 「オホンッ!ミス・ヴァリエール!」 「は、はい!」 余所見をしている生徒を当てるのは、どの世界でも共通である。 「では、土の基本魔法を説明してください」 「え、あ、はい…… 『土』の系統の基本魔法は『錬金』です。 金属を作り出したり建物を建てる石を切り出したり、農作物を収穫するなどの生活により関係した魔法が『土』です」 「よろしい、ミス・ヴァリエール、よく出来ました。……では次に、実際に錬金を行ってみます」 そう言うとシュヴルーズは錬金の実技を披露してみせた。 シュヴルーズが呪文を唱えると、教壇の上に置かれた石が輝き、金属へと姿を変えたのだった。 これを見たウルザが「ほお…」と呟くのをルイズは聞いた。 「先生!ゴールドですか!?」キュルケが聞くと 「いいえ、真鍮です。」と応えるシュヴルーズ。 「さて、次は誰かに錬金をやってもらいましょうか……ミス・ヴァリエール!」 「え、はい!」 また自分かという考えを払って姿勢を正す。 「貴女は……随分と変わった使い魔を召喚したそうですね。 どうでしょう?その使い魔の方に錬金の実演をして頂けませんか?」 教室中の生徒がルイズとその使い魔に注目する。 あ、ちょっとこの感じいいかも、とほんの少しだけ抱いたが、それを出さずに、ウルザに声をかける。 「ミスタ・ウルザ、先生の仰るとおりに」 「……分かりました、ミス・ルイズ」 ルイズはウルザが軽くため息をついたのを感じた。 (別に錬金くらい初歩の術じゃない、減るもんじゃないし…そりゃ、私は使えないけど…) ウルザが教壇に立つ。 (さて、このように生徒に囲まれ教壇に立つなど久しいことだ…) さて、目の前には先ほど錬金された石と同じくらいの大きさの石が置かれている。 確かに、ウルザは数々の世界を渡り歩いた魔法使いであるが、初めて接した魔法系統を直ぐに使いこなすような超人ではない。 よって、ハルケギニアの系統魔法を使えるわけが無い。 しかし、今メイジという立場をこの世界で失うのは得策ではない。 ウルザが何事か呟き、呪文が完成して、石が輝く。 そして、石はシュヴルーズ教師が錬金したのと同様に、真鍮へと姿を変えてきた。 「おおおおおお!!」「凄い!」「ルイズの使い魔はスクエアメイジか!」 教室中が喧騒に包まれる。 「こんなものでよろしいかな?」 「ええ、結構です、ええと…ミスタ・ウルザ」 ただ一人、首を捻っていたのはモンモランシーである。 「あ、あれ?今、水の系統魔法を使って、なかっ…た、…わよね。私の勘違いね、きっと」 「さて、次はミス・ヴァリエール。あなたがやって御覧なさい」 「先生!」 キュルケが声を上げる。 「ルイズは危ないです!ゼロのルイズですよ!?」 それを聞いたシュヴルーズが応える。 「ミス・ツェルプストー、貴女は彼女をまだゼロのルイズと呼ぶのですか?彼女の使い魔であるミスタ・ウルザが錬金を成功させたのを見たでしょう。 使い魔が出来て、主人が出来ないなんてことがありますか」 それを聞いてルイズが立ち上がる。 「私、やります!」 ルイズが教壇に立つ、前には先ほどと同様の石が置かれている。 「ふむ、これは興味深い」 ルイズはウルザの魔法が見たいと思っていたが、それはウルザとて同じことである。 プレインズウォーカーである自分を強引に召喚するほどの腕前である、そしてその手による知らぬ魔法体系の呪文、狂人ならずとも魔法使いなら心引かれる演目である。 ルイズが呪文の詠唱を始める。 同時に、一斉に机の下に避難を始める生徒達。 意味を理解出来ないまでも、何処かで見たような既視感を覚える。 ルイズの呪文が完成する。 爆発 なんの防御もしていなかったウルザは爆発に巻き込まれたのだった。 危険に対して敏感なのは、いつだって生徒だ。 ――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/194.html
「てんくうちゅうしんけん?何それ?」 ロム・ストールの発した聞いたことの無い単語を不思議に思うルイズ 「悪を断ち、弱きものを守る正義の拳法、俺は亡き父の遺言によりそれを用いて旅を続けていた」 「ふ~ん・・・、ってそんな話をしている暇はないわ!今すぐ契約するわよ!!」 「契約?何の?」 「主と使い魔の契約よ!今から貴方は私の使い魔になるのよ!」 ルイズは力みながら説明した 第1話 新たなる大地!その名はハルケギニア! 「つまり使い魔とは君たち魔法使いのしもべになること、俺は君に召喚されたから君の使い魔として契約をしなければならない」 「そうよ、物分かりが早くて助かるわ、では早速・・・・」「断る」 「んな!何を言っているの!貴方は私に」 「君達魔法使いが伝統に従うように俺には亡き父の遺言に従って悪を討つ旅を続ける義務がある。それを途中で止めるわけにはいかない」 「そーいうことなら私も言うわよ!召喚のやり直しは出来ないのからもう私には貴方に使い魔になってもらうしか道がないのよ!」 ロムの言い分にルイズは真っ赤な顔をして反論する ルイズは思っていなかった まさか貴族である自分が平民(?)であるロムからここまで拒絶されるとは さらに周りの見回すと既に契約を済ませた級友達はそれぞれ使い魔の自慢話をしつつルイズをニヤニヤしながら見ている 当初の予定なら今頃自慢話の中心にいるのは自分のはず・・・・ しかし現実はそうではなかった ルイズの涙腺は爆発寸前だった (気の毒だが俺は一刻も早く仲間達の戻らなければならない。) ルイズに同情しつつ、ロムは手を空に掲げた (彼女の話からここはクロノスではない事は確かだ。だが彼女は俺をこの世界に呼ぶ事が出来た) (っという事は戻る事も可能なはずだ・・・・、よし、剣狼よ!我に導きを!!) しかし何も起こらない (ばっ・・・馬鹿な!剣狼が現れん!?) 父から受け継いだ狼の紋章を持つ剣、剣狼が今まで自分の下に現れないとはこれまでに無かったのだ さすが多くの修羅場を乗り越えたロムもこれには焦った 「聞きたい事がある」 「何よ!」 ロムは少し青い顔でルイズを見る、ルイズは再び目に涙を溜めていた 「帰る手段はあるのか」 「無いわよ!サモン・サーヴァントは呼び出す事しか出来ないのよ!」 「・・・・本当か?」 「本当よ!嘘付いてもしょうがないでしょ!」 少し思考した結果・・・・ 「わかった、君の使い魔となろう」 「ほっ本当!?本当に本当!!?」 「ああ、ただし帰る手段が見つかったら必ず帰る、それまで俺が使い魔としての働きをする」 ルイズは片手で涙を拭い、胸に手を当て息を吸った 一度は閉ざされたと思われた道に光が差したのだ・・・・・・ 「ではコントラクト・サーヴァントを始めるわよ。そこに座りなさい」 ロムは言われるままに膝を地に付ける、するとルイズは目の前に杖を掲げた 「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ド・ル・ブラン・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」 (成る程、これが契約か・・・・これで俺は、ってな!?) ルイズは呪文を唱えたあとロムに顔を近づけ、口付けを交わした 「ふう、これで契約は終わりよこれであんたは私の使い魔になったわ」 「・・・・・・・・」 唖然としたロムはルイズの顔をじって見ていた その透き通っている目に思わずルイズは頬を赤らめる 「なっ何よ、ひょっとして照れているの?しょ、しょーがないじゃない!私だって好きでやってるわけじゃないんだから・・・・」 「いや、女に迫られるのは慣れているがいきなり口付けをするのは初めてだと思ってな。意外と大胆なのだな」 ルイズの顔が全面真っ赤になる 「仕方がないでしょこれが儀式なんだから!それより今からあんたは私の使い魔よ!!」 「ああ、出来る限り努力しよう・・・む?体中が・・・・あ、熱い!!」 ロムの左手の甲から文字が浮かび上がる 「それは使い魔のルーンよ、使い魔になった証拠よ」「ふむ、珍しいルーンだな、どれもっと良く見せてくれないか」 コルベールがロムの左手に自分の手を添える、するとコルベールが段々悩ましい顔になっていった (こっこれはどういうことだ!?この平民何かおかしい・・・・!これでは・・・・) 「もういいか?」 「あ・・・・、すっすまん、では皆、教室へ戻るぞ」 ギャラリー達が宙に浮き始め、建物の中へと入っていく。 色々話している声があったがもちろんそれはルイズの事であった 「ルイズの使い魔にはあんな平民がお似合いだな」 そんな声が聞こえた気がする 「なんだ、マスターは飛ばないのか」 「うるさい!さっさと行くわよ!全く、何で私の使い魔が平民なのよ!」 ルイズはまだ怒っていた その夜・・・・ ルイズの部屋にてロムは窓から夜空を見上げる 「ふむ、この世界の月は2つあるのか」 「そんなの当たり前でしょ」 「俺の世界には太陽が2つあるが・・・・」 「太陽が2つ!?暑くないのそれ!!?」 「いや、それほどでもない、環境はこの世界とはあまり変わり無い。それに俺が仲間と共に旅をした場所には全てが氷でできた大地もある」 「あんた今までどんな生活してきたのよ・・・・」 ルイズは呆れながらも言う ロムはルイズに自分の世界の事を話していた。自分の事や、世界に住人の事、そして仲間達と共に旅をしていたこと 「要するに貴方の世界の住人は貴方の様に体を鋼で包み、それ所か別の物に姿を変えることができるのね。じゃあ貴方も姿を変えることができないの?」 「できん、俺はクロノス族に属している。クロノス族は人間の姿が基本だ」 (何よそれー!平民の使い魔を連れているなんて馬鹿にされないためにずっと姿を変えさせておこうと思っていたのにー!) ルイズがぶわぶわと長い髪をかきあげる ロムが再び口を開ける 「しかし君を悪人から守ることはできる。天空宙心拳は人を活かす拳だ」 確かにロムは見掛けかしてとても強そうだ 顔立ちも昔家に招待された高名な騎士と似ている しかしその騎士との決定的違いは魔法が使えないという事 もしも悪人が魔法を使ってきたらあっという間に吹き飛ばされてしまいそうだ 「まぁ期待しておくわ、それよりもあんたにやってもらうことは沢山あるわよ!覚悟しなさい!」 「ああ」 ロムがこくりと頷く 「じゃああんたの寝床はそこ」 ルイズが指を床にさしたあとロムに毛布を渡す 「ああ、野宿には慣れている」 それからブラウスのボタンを一つずつ外していき、下着姿となった 「なっ、なにをしているんだ!」 ロムがすっとんきょうな声をあげる 「寝るから着替えるのよ」 「何故人前でやる!」 「別に、使い魔に見られたって何ともないわ」 迫られるのは慣れていると答えたが元々女性自体に慣れてないロムは流石にルイズの行動にまたもや唖然とした 「それとこれ朝までに洗って置いてよね」 っと言って純白の下着類を渡す 「少し、夜風に当たって来る・・・・」 ロムがドアノブに手を掛ける 「あらそう、言っておくけど帰るなんて事は考えない方がいいわよ。明日から雑用三昧だから、それじゃおやすみ」 一度召喚された場所へと戻るロム 「あの時剣狼は確かにこの手にあった、っということは剣狼もこの世界にあるはずだ。」 自分の手のひらを握りしめる 「バイカンフーを呼べば次元を貫いて下の世界へ戻れるはず、きっとクロノスへ戻ることができる」 空に浮かぶ2つの月を見上げる 「ジェット、ドリル、ジム。俺がいなくなった世界で何を思っている?」 共に父が印した狼の印を探す旅を始めた仲間達、夜空を見ていると彼等の顔が浮かび上がる 「レイナは今頃、泣いているのか?」 自分に良くくっついていた可愛らしい妹が大きな月に浮かび上がる 「待っていろ皆、俺は必ず帰って見せる」 そっとドアを開けると薄暗いランプに肢体を照らしながらすやすやと眠るルイズがいた 「だが、俺はこの娘を守る事が・・・今後の日課だな」 ルイズをレイナに照らし合わせながらロムはランプの火を消した おまけ 金髪の少年がセミロングの髪の少女と共に学院のベランダに出ていた 「確かに君の言う通り今日の夜空は星が多くて美しい・・・・、素晴らしいよカレン」 「ありがとうございますギーシュ様・・・・」 カレンと呼ばれた少女は両頬にそれぞれ手を当ててうっとりしていた 「おお、今蒼い流星が流れたよ」 「私も見えました、まるで妖精が夜の運河を滑るように・・・・」 「カレン、夜が深くてもこの星の輝きの下なら遠く都を探すことができるよ。それに、今は君の顔をしっかり照らされていてとても美しい・・・・」 「ギーシュ様・・・・」 二人は互いの唇を合わせようとする、すると下の方から足音が聞こえる 「誰だ?二人の時間に割り込んで来た無粋な者は」 下を見ているとそこにいたのはあのゼロのルイズが召喚した平民であった (全く、貴族の楽しみに土足入ってくるとは。これだから平民は・・・・) 「あの方・・・・素敵」 (な、なんだってー!) 「あのしなやかな体付きを思わせるスマートな鎧、キリッとした目付き・・・・素敵ですわ・・・・。でもあの人はあのルイズの使い魔で平民・・・・ああ、何この気持ち!?これが恋心!?」 拳を握りしめて男を睨み付ける (あの男平民でありながらこの僕から(何人もいる)ガールフレンドを誘惑するなんて・・・・、・・・・この代償、高くつくよ・・・・) しかしその後酷い目にあうのは自分だったりする・・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/210.html
「やっちゃったね・・・・・」 これで何度目だろう。性懲りもなくまたやってしまった。 食堂から流れてくるおいしそうな匂いが恨めしい。 「きり丸!なんであんなこと言ったの!僕もう昨日から何も食べてないんだよ」 普段はおとなしいしんべえが声を荒げる。無理もない。しんべえにとっては一食抜かされただけでも一大事なのに、丸々一日何も食べることができないなんてのは拷問としか言いようがない。 「まぁまぁしんべえ、きりちゃんだって悪気があった訳じゃないんだし。仕方ないよ」 半ば自分に言い聞かせるように乱太郎が言った。 乱太郎は肩を落とした。まさか、丸一日分の食事を没収されるなんて夢にも思っていなかった。土井先生や山田先生でもこんな罰は与えないだろう。せいぜいゲンコツが飛んでくるぐらいなものだ。 これからどうしようかと考え、隣を見るとボケェと前を見ているきり丸の顔が目に入った。 (きりちゃんもご飯食べられなくてガッカリしてるんだよね) そう思った矢先きり丸の目が輝きだした。乱太郎はこれが何を意味するのかよく知っている。 「金~金金金金かね~」 どうやら彼の探知機が金を探し当てたらしい。 「行ってらっしゃい」 きり丸はこちらの世界の金の音も聞き分けることができるようになっていたらしい。さすがはきり丸である。 しかし、きり丸を見送ってしまってからはたと気づいた。ルイズが食事を終えて戻ってきた時、きり丸が居ないとまた怒られるんじゃないだろうか。 「『使い魔のくせに勝手に歩き回ってんじゃないの!罰として一週間食事抜き!』なんて言われたらどうしよう」 呼び戻そうにも二人とも一文無しである。きり丸召喚魔法は使えない。 「どうしようしんべえ。またルイズさんに怒られ・・・・・あれ?しんべえ?」 乱太郎は隣にいたはずのしんべえに話しかけていたつもりだったのだが・・・・・。なんとしんべえまでもがいなくなっていた。 (どこに行っちゃったのさしんべえ?)私一人にしないでよ。あぁどうしよう、どうしよう・・・・・・・。 「あんた何ぶつぶつ言ってんの?」 キター。 ビクビクして何も言えないでいる乱太郎にルイズは畳み掛けた。 「他の二人はどうしたの?」 「どうしたの?答えないよ」 乱太郎は突然の襲撃に口をパクパクさせていた。怒ってはいないようだが、ルイズの顔が真ん前にある状態で質問されると正常に頭が働かなくなる。 「まさか、何かやましい事でもしてるの?」「ち、違いますよ」 「じゃあ何なのよ」 「トイレに行くって言ってました」 こんな言い訳を考えつくのに普段の10倍かかってしまった。 「あっそう。じゃあ行くわよ」 落ち着いて考えれば心配する必要はなかったのかもしれない。まぁルイズにとって何が気に障るのか乱太郎はわからなかったので仕方がないことではあるが その頃しんべえは久し振りのご馳走を頬張り満面に笑みをたたえていた。次から次へと口に運ぶ。昨日の夕飯は抜かされたし、ここに来てまともに食べた料理と言ったらスープぐらいのものだ。いつにも増して美味しく感じられる。 さっききり丸が金を求めて走り出したのと同時にしんべえは食堂に足を踏み入れた。余りにも美味しそうな匂いだったので磁石の如く引き寄せられてしまったのだ。 一段落してしんべえが口を開く。 「さっきはありがとう。ここの料理美味しいね」 しんべえの隣には青い髪の少女が座っていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/218.html
「ちょっと!あんた達何をやっているのよ!!」 もの珍しさに二人の周りを囲む人の壁から血相を抱えたルイズが出てくる 「ギーシュ!貴方何を考えているの!?貴族が平民に決闘を申し込むなんて!!」 「これはこれはミス・ヴァリエール、君の使い魔がとある二人の名誉を傷つけてね。それで僕が君の変わりに礼儀を教えようかと思ってさ」 「だからってそんなの!そいつは平民なのよ!」 決闘を申し込まれた男、ロムに杖を向けるルイズ 「そんなの関係ないさ。貴族と平民での間ではね」 第3話 ハルケギニアに巻き起こる拳 トリステイン魔法学院の図書館は食堂がある本塔の中にある。 おおよそ30メイルの高さの本棚が壁際に並んでいる様子は壮観だ。 ここには始祖ブリミアがハルケギニアに新天地を築いて以来の長き歴史が詰め込まれている。 そんな図書館の中には教師のみが閲覧を許される『フェニアのライブラリー』がある そこに一人の中年魔法教師が昨日の夜から寝ずに書物を調べている、コルベールだ 彼は今、一心不乱に自分の疑問を答え本を探している その疑問とは彼の手に持つスケッチに書かれていた。 スケッチに書かれていたのはロム・ストールの左手に浮かび上がったルーンであった (やはり見つからない・・・・、あの様なルーンは召喚の監督を担当してから初めて見るからな・・・・、いやしかしそれ以上に疑問なのは) 一呼吸して自らを落ち着かせる (彼女の使い魔!一応、人間であるか確かめたがディテクト・マジックを使ったが・・・・、人間所では無い!生物でも幻獣でも無かった!!) 彼の読んでいるルーンに関する本の横には、古代魔法によって作られたゴーレムに関する本、過去のエルフにの交流に関する本も置いてあった (一体彼は何者なんだ・・・・)そう考えながらレビテーションで手に届かない本を取る、そして見つけた、それは始祖ブリミルが使用した使い魔達について記述された古書であった (こっこれは!) ページの一節とスケッチのルーンを見比べ目を見開き驚くコルベール (早くオールド・オスマンに伝えねば!) 慌てて本を抱えて飛び出して行った 「いいだろう、受けて立とう」 ロムの一言に周りが騒ぎ出す、今まで平民が貴族と決闘をするなんて事は無かったのだから当然である 「ちょ、ちょっと勝手に話を・・・・」 「うん、それでいいんだ。では食後にヴェストリの広場に来たまえ。では皆、食事を楽しもう」 慌てるルイズにギーシュが話を進めてギャラリーを解散させる 残っていたのはルイズ、ロム、シエスタの三人であった 「あ、あなた殺されちゃう・・・・、貴族を怒らせるなんて恐ろしい事を・・・・」 シエスタが恐ろしいものを見た顔で震えている 「シエスタ、君は先に厨房に戻ってくれ俺はマスターと話がある」 シエスタが横を見ると今でも何かを言いたそうなルイズがいた、そしてそのまま小走りで厨房へ向かった 「あんた、何をしているのよ!勝手に決闘の約束なんかしちゃって・・・・、今すぐ謝りに行きなさい!」 「何故だ」 ロムが表情を変えずに言う 「何故って怪我するかもしれないのよ!いいから謝りに行きなさい!今なら許してくれるかもしれないわ!!」 「駄目だ、彼は言っていた、名誉を賭けて闘うと、俺はそれに答えなければならないんだ」 「こんな時に何を言っているのー!」 この時ルイズは心配していた、いくらロムが強い戦士でも魔法が使えなければこの世界では通用しない ただ単にロムを身の安全を心配していた 「あのね?!闘ったら絶対勝てないし怪我するわ!いや、怪我で済んだらいい方よ!!」 「そんな事はやってみないとわからないだろう」 「聞いて!平民はメイジには絶対に勝てないの!」 するとロムはじっとルイズを見る、 「な、何よ・・・・」 「頼むマスター、この決闘、認めてくれないか」 ロムは続けて言う 「戦士として決闘を申し込まれたからには潔く闘いたい。その代わり俺は必ず勝つ」 ロムの澄んだ目に悩んでしまうルイズ、そして・・・・ 「あ~も~!分かったわ!受けてきなさいよ分からず屋!!けちょんけちょんにやられて少しは反省してきなさい!!」 「感謝する!」 ルイズは起こりりながら自分の席に座る、そしてロムは厨房に戻って行った 「只今戻ったぞ・・・・うん?」 ロムが厨房に戻るとおどおどしたシエスタが、そしてその後ろにはマルトーを中心としたコック達が 「聞いたぞ!あんた貴族と決闘するんだって!?」 「応援しているからな!!」 「あんたが勝ったらここの奉公人皆集めてパーティだ!っと言っても料理は余り物だけどな!」 もう既にお祭り状態だ、シエスタが言うには余りにも心配であったので先輩メイドに相談した所、それがあっという間に広まったらしい 「あの、怪我はしないようにしてくださいね・・・・」 「ああ・・・・」 一方ルイズはと言うと心配をしていた さっきは勢いであんな事を言ってしまったが冷静に考えるとそれはとんでもない事だ、平民がメイジに挑むなんて・・・・ 「あらあらなんであんたそんなに暗い顔してるのよ」 ルイズの隣にキュルケが座ってきた さらにその隣にずっと本を読み続けている小柄で眼鏡をかけ、水色の髪をした少女タバサが座った 「何のよう・・・・」 天敵相手に小さな声を出すルイズ 「聞いたわよ、あんたの使い魔、そうそうロムがギーシュと決闘をするんだってね。 それであんた自身どう思っているのかなーって。心配なの?」 「心配なわけないじゃんあんな奴・・・・」 ルイズは前にあったコップの中身を飲み干しながら言った 「私はあの人が勝つと思うわよ。だってあんなヒョロ男なギーシュより強そうじゃない!タバサあなたどう思う?」 「・・・・・・・・」 タバサは前の皿からパンを千切って黙々と食べている 「・・・・どっちとも興味ない」 「あらそう、面白そうなのにね~」 するとルイズが立ち上がる 「あんたの顔見てたら食欲失せたわ。授業始まるまで部屋で寝てる」 そう言って食堂から出ていった 「あ~あ、何なのあいつ、さっきまで元気だったのに」 「・・・・責任を感じているのよ」 タバサがポツリと言った ヴェストリスの広場は学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある そこは日中でも日があまり差さない、決闘にはうってつけの場所だがすでにそこは噂を聞き付けた生徒達で溢れていた なんたってあの色男ギーシュとあのゼロのルイズが呼んだ平民の使い魔が闘う、それだけ聞いても見る気を注がせる 「結構集まっているじゃない」「・・・・・・・・」 キュルケとタバサが火の塔側のギャラリーにつく 「ロムさん・・・、大丈夫かしら・・・・」 シエスタも心配して見に来ている、そして・・・・ 「ハァハァ・・・・、何よあいつ、あれだけ偉そうに言っておいて、まだ始まってないじゃないの!!」 あれだけ心配していたルイズもやはり来ていた ギーシュは真ん中に立っていたがそこにはロムは居ない、そしてそのまま時が過ぎた ギーシュが薔薇の花を掲げる 「諸君、僕はとある平民と決闘をする為にここに来た。しかし、肝心の平民はまだ来ていない。これでは決闘が出来ない・・・・」 ギーシュが続ける、その顔には笑みが浮かんでいた 「それは何故だと思う・・・・、そこの君!」 「・・・貴族であるギーシュに怖じけついたから?」 「皆はそう思うかい?」 周りがざわつき始める、まさか・・・・本当に逃げ出した・・・・? 周りがそんな推測をし始める 「彼は今頃になって闘う事が恐ろしくなったのだ、決闘に遅れるなどあり得ないだろう。 しかし僕はそんな事は気にしない次彼に会ったら暖かく迎えようと思う」 (ちょ・・・・ちょっと待ちなさいよ!なんでそう決めつけようとするのよ!) 「まああれだな、主人がゼロだと使い魔もゼロなんだな!」 (マリコルヌあんた何言ってるのー!) まあゼロだからな、ゼロだから仕方ないか、あはははは! 周りがそんな声をそんな事を口にし始めた (何でよ・・・・何でこうなるのよいつもこうなるのよ・・・・) 真っ赤になったルイズは早くここから抜け出しいと思うようになる (ふむ、まさかこうなるとは思ってはいなかったが取り敢えずよしとしよう、これで初勝利だ!) 何に勝利したかは読んでいる貴方に任せた! 「ではこの決闘!これでお開きに・・・・」 そう言おうとした瞬間であった!! 「待てぃ!!!」 「!!?」 突然の声に驚きを隠せない生徒達、彼らは一斉に声の出所を探し始めた ~握れば落ちる砂の一粒は元は巨大な岩石であった~ (いっ今のロムさんの声!どこから!?) シエスタもキョロキョロと当たりを見回す 「・・・・・・・・あれ」 「え?ってあれ!?」 タバサが杖を向けた先にキュルケが絶句する ~風によってそれは砕かれていったのだ~ 「あんた・・・・、何でそんな所にいるのよー!!!」 ルイズが叫んだ先は・・・・、風の塔の頂上に立つ人影に向けたものであった 「我は風となりて敵を討つ・・・・、 人、それを『風蝕』と言う!!」 「何者だ!?」 ギーシュが叫ぶ! 「お前に名乗る名前は無い!!とうっ!!!」 人影は頂上から飛び降り、着地、何事もなかったかの様に立っていた そこに居たのは、紛れもなくロム・ストール本人であった
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/196.html
食事を終えて教室に移動する 生徒達は各々横に自分の使い魔を置いて授業の準備をしている ルイズも机に座り準備を始めた シュヴルーズは生徒達にお復習のつもりで淡々と魔法の四元素説明していく そしてそれぞれの元素をマスターする事によってドットからライン、トライアングル、スクウェアとランクを上げていく事も、魔法が無い世界の住人であるロムも理解することが出来た 「ではこの魔法を実際に・・・・、ミス・ヴァリエール、貴方にやってもらいましょう」 「ふぇ?私ですか?」 ルイズが指名された途端、教室がざわめき始める。 (なんだ?急に部屋の空気が・・・・) ロムが疑問に思う頃にはルイズが席から立ち上がり教壇に向かおうとする 「ルイズやめて、お願い」 キュルケが青い顔をしてルイズに言う 「成功させれば文句無いでしょ」 「でも貴女はゼロ・・・・」 「皆さん冷やかしはお止めなさい、ではミス・ヴァリエール宜しくお願いします」 この会話を聞いていたロムは閃いた (ふむ、どうやらゼロという理由がこれでわかるらしいな) 教壇に立ち、呪文を唱え触媒に杖を向けるルイズ。 その時、触媒が爆発し周りのものがぶっ飛んだ。 煙が明けるとシュヴリーズは気絶しており、ルイズはは真っ黒になりながらも平然と立っていた 「ちょっと・・・・、失敗しちゃった見たいね」 ルイズがそう言うと周りからブーイングが起こる 「何をやっているんだよー!」 「だからゼロのルイズにやらせたくなかったんだ・・・・」 「魔法の成功率ゼロのルイズ!これどうするんだよら!!」 (ケホッケホッ、成る程・・・、だからゼロなのか) ロムは納得した 「マスター、これで終わりだ」 授業の後、二人は罰として教室の片付けを命じられた ロムが言われるがままにテキパキと仕事をこなしたので思ったより早く終わった「あ~も~どうしていつも失敗しちゃうのよ!」 「マスターそんなに癇癪を起こすな。次は失敗しないようすればいいじゃないか」 「それが出来れば苦労してないわよ!」 どうやらそれなりに自覚はしているようである 「は~あ~、こんな事じゃ何時までゼロって呼ばれるわ・・・・、私これからどうなるんだろ・・・・」 そういってもう一つ深いため息をつく そんなルイズを見てロムが下を向いて語り始めた 「どんな夜にも必ず終わりが来る。」 突然雰囲気の変わったロムに驚くルイズ 「闇が溶け、朝が世界に満ちるもの・・・・、人、それを黎明と言う」 「な・・・、何言っているのあんた」 「つまりそういうことだ。今は後先が見えぬ状況でも、必ずそれを打破するきっかけが見つかるものだ。 今日の失敗を乗り越え、明日の成功の為に努力する。 それは魔法使いにでも言える事じゃないのか?」 「・・・・・・・・」 顔を上げて微笑むロム、確かにそうだ 今日失敗した事を明日の成功の為に反省すればよい。 確かにそうだ、確かにそうだが・・・・ 「あんた・・・・」 「ん?」 「ご主人に何説教しているのよー!!!」 「なっ・・・・!」 ルイズが突然の怒鳴り声に驚くロム、確かにロムの言っていた事は筋が通っている しかし自分は貴族。 ロムは平民でしかも自分の使い魔。 使い魔に説教される貴族なんて末代まで言えぬ恥である。 ロムは無意識にルイズのプライドを傷つけたのであった。 「あんた、今日一日ご飯抜きよ!でも雑用はしっかりやってもらうからね!」 そういうとルイズは真っ赤な顔で教室から出ていき、ロムだけが残された。 (う~む、前の戦いから取り入れたエネルギーは今日の朝のみ、その量も多いとは言えない。 流石に今日一日はキツいな) そんな事を考えながら食堂の前を通り掛かると 「あの~」 「ん?」 「今お一人でしょうか?」 後ろを向くとメイド服を着た少女、シエスタが立っていて自分に語りかけた 「ああ、一人だ」 「じゃあ厨房に来てくれませんか?料理長が呼んでいますので」 (料理長?何故俺に用があるんだ?) 不思議に思いながらもシエスタに連れられ厨房に付いたロム 「マルトーさーん!連れてきましたよー!!」 「おおー来たかー!そこのテーブルに座らせてやってくれ!!」 「はーい!では、ちょっと待っててくださいね」 言われるままに待っているとシエスタは焼き立てのパンと湯気のたったスープを持ってきた 「これ、食べてもいいのか?」 「はい、私達の賄い食の余りですがどうぞ」 ロムの質問に微笑みながら答えるシエスタ、この世界に来て初めて人の心の暖かさに触れた気がする 「有難い!では、いただくとする」 そういうと綺麗に食べて行くロム、うん、これこそ究極のパンだと心の中で頷く 「いやーいい食いっぷりだね兄ちゃん!全く俺はあんた見たいな人に飯を作りたいよ!!」 奥から男が現れる 「俺は料理長のマルトーって言うんだ!宜しくな!!」 「俺はロム・ストール、貴方がこの料理を?」 「ああそうだ!」 「感謝する」 ロムが礼を言うとマルトーは笑う 「わっはっは!いいって事よ!同じ平民じゃねえか!」 「平民?じゃあここにいる人達は皆?」 するとシエスタが答える 「はい、皆貴族様にご奉仕する為にここで働いているのです。 でも昨日平民が貴族様の使い魔になったって噂になったから皆心配だったんですよ」 「案の定シエスタがあんたが貴族どもの横で床下に座りながらパンにかじりついていたのを見ていてよ、それを聞いた俺は頭にきていたんだ!」 ロムはそのパンを作った人間が誰かを聞こうとしたがやっぱりやめた 「いや~それにしてもあんた立派な鎧を着ているな!」 「どこかの騎士だったのですか?」 「いや・・・・まあ、そんな感じだ」 異世界から来たなんて信じられないようなので言わないでおく 「それより、食事の礼をしたいのだが」 「そんなのいらんいらん!」 「いや頼む、一応の礼儀は突き通したいのだ」 「じゃあお皿を並べてもらいましょう。もうすぐお食事の時間ですし」 厨房から出ると授業を終えた生徒達が食堂へと入ってきて、その中で長いテーブルの上に黙々と皿を並べていくロム そこへ金髪の少年がバラをくわえながら複数の取り巻きと共に入ってくる 「なあギーシュ、結局君の彼女は一体誰なんだ?」 「ふっ、僕の心の中には特別な女性なんかいないよ。それぞれが僕の花なんだ」 ギーシュがギザっぽく取り巻きの一人の質問に答える するとギーシュのマントから紫色の小瓶が落ちる 皿並べを終えてシエスタと共に厨房に戻る途中のロムがそれに気付き拾う 「君これを落としたぞ」 ロムが声をかけられギーシュが振り向く、 (あ!この男昨日の!昨日はよくも・・・・ん・・・・?) ロムの持つ小瓶に気付くと顔に焦りが表れ始める 「君、それは僕のでは無いよ、勘違いしていないかい?」 「いや、確かに君が落としたものだ」 (ちぃぃぃぃ!平民を本気で殴りたいと思ったのは始めてだ!) 「あっ!その紫色の香水はモンモランシーが特別に調合したものじゃないか!」 「っということは本命はモンモランシーか!」 ギクっ!と焦りが更に顔に表れる そして横を見ると可愛らしい栗毛の女の子が涙を目に溜めてギーシュを見つめていた 「ギーシュ様、やはり貴方はあの人と・・・・」 「ち、違うんだよケティ。僕の心には何時も君が・・・・」 ばちん、と音がしてギーシュが頬を赤く腫らした後「さようなら」っと言って少女が走り去って行く 「まっ待ってケティ話を・・・・」 ギーシュが追おうとすると・・・・ 「待てぃ!!!」 「!!!???」 ギーシュと取り巻き、それにロムとシエスタが声の出場所に向くと強烈な光がありそこに誰かが立っていた 「一つの恋を通さず、平気で別の恋をする不純な気力。 人、それを『浮気』という・・・・」 「誰だ!?」 「貴様に名乗る名前は無い!!」 光が消えるとそこに立っていたのは腕を組んで鬼の様な形相をしたカールが目立つ少女であった・・・・ 「げぇ!モンモランシー!ちっ違うんだよこれは・・・・」 「あんたやっぱり他の女の子と会ったのね!喰らえ!乙女の怒り!彗星脚!!」 「がふう!」 モンモランシーの踵落としが炸裂する、ギーシュは無惨にも床に叩きつけられた そして少女は去っていく 「す、凄かったですね・・・・」 「・・・・・・・・何なんだ一体」 あまりの気迫にロムとシエスタは固まっていた、特にロムは色んな意味で固まっていた・・・・ 「とっとにかく厨房に戻ろう」 「待ちたまえ!」 一声出して立ち上がるギーシュ、凸は真っ赤になっている 「君のおかげで二人の女性の名誉が傷ついてしまった・・・・、どう責任とっつくれるのかい?」 どう考えてもお前が傷ついている 「それは君が浮気をしていたから悪いのだろう」 あっさりしたロムの反論に周りが肯定する 「ふっ・・・・、平民がこの僕に・・・・、よし、決闘だ!」「何・・・・?」 周りが突然ざわつき始める 「お待ち下さい貴族様!貴族同士の決闘は禁止されています!!」 シエスタがなだめるが 「これは貴族の決闘ではない。貴族と平民の決闘だよ。互いの名誉を賭けたね さあどうする?」 「・・・・・・・・」 果たしてロムは決闘を受けるのか!? (それにしてもモンモランシー、いつあんな魔法を覚えたんだ?)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7115.html
召喚キャラは「ナイトウィザード」から柊蓮司と志宝エリス 基本TRPG「ナイトウィザード」の各種設定をふまえて ただし宝玉の少女の件に関してはアニメ版準拠 シェローティアの空砦は起こらない エル=ネイシアについては起こるかもしれない 下二つについて、一応分類として「セブン=フォートレス」のものなので除外 ルイズと夜闇の魔法使い-01 ルイズと夜闇の魔法使い-02 ルイズと夜闇の魔法使い-03 ルイズと夜闇の魔法使い-04 ルイズと夜闇の魔法使い-05 ルイズと夜闇の魔法使い-06 ルイズと夜闇の魔法使い-07 ルイズと夜闇の魔法使い-08 ルイズと夜闇の魔法使い-09 ルイズと夜闇の魔法使い-10a ルイズと夜闇の魔法使い-10b ルイズと夜闇の魔法使い-11 ルイズと夜闇の魔法使い-12 ルイズと夜闇の魔法使い-13 ルイズと夜闇の魔法使い-14 ルイズと夜闇の魔法使い-15 ルイズと夜闇の魔法使い-16 ルイズと夜闇の魔法使い-17 ルイズと夜闇の魔法使い-18 ルイズと夜闇の魔法使い-19 ルイズと夜闇の魔法使い-20 ルイズと夜闇の魔法使い-21a ルイズと夜闇の魔法使い-21b ルイズと夜闇の魔法使い-22 ルイズと夜闇の魔法使い-23a ルイズと夜闇の魔法使い-23b ルイズと夜闇の魔法使い-24 ルイズと夜闇の魔法使い-24b ルイズと夜闇の魔法使い-25 ルイズと夜闇の魔法使い-26 ルイズと夜闇の魔法使い-27 ルイズと夜闇の魔法使い-28
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8250.html
前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝 第一章~旅立ち~ その6 ギーシュやぶれたり! 「ワルキューレぇっ!!!」 「遅ぇ!!」 雷光のような一文字斬り、そして続けざまに縦。 二つの斬撃が、ここハルケギニアには無い漢数字『十』の形を象る。 騎士ラードから伝授された必殺技だ。 曰く、十文字斬り。 鋭く研ぎ澄まされた技は、襲いかかる銅像を4つに分断した。 「てンで歯ごたえがねえぜッ!?」 「くそ……こんな……こんな馬鹿な!!」 ギーシュの奥歯が、火花を散らすのではないかというほどに擦られる。 ここで自分は負けるのか。 年端も行かない子供が振るう剣の前に屈するのか。 武人の一家としての誇りは、すでにズタズタになっていた。 「こんな……こんな所で……グラモンの、戦でも誉れ高き一族の名を……汚すことに……!!」 焦燥に駆られ整ったヘアスタイルをかきむしるギーシュの目に、『ゼロ』のルイズの姿が留まる。 あいつが剣を渡さなければ。 いや、もともと彼女の躾が悪かったのが原因だ。 いやむしろ、あんな小僧を召喚したルイズが全面的に悪い!! 焦りに焦ったギーシュの苛立ちの矛先がルイズへ向くのには、そう時間はかからなかった。 ギーシュの薔薇が、理不尽な方角へと振るわれる。 「『ゼロ』、め……!よくも決闘に水を差してくれたなッ!」 「え!?」 最後のワルキューレを向かわせたのは、決闘相手の主の元だった。 ギーシュのプライドを守るための、苦肉の策。 「!?ルイズッ!」 「きゃあっ!!」 銅の巨像が少女に迫る。 握られているのは剣、切れ味は鈍そうだが当たればきっと痛かろう。 ルイズはぎゅっと目を閉じた。 恐怖で身がすくむも、いくら待てども痛みが訪れることが無い。 目を開けると、そこには動きを止める騎士像の姿があった。 「……ルイズにまで、手を出しやがったな」 ムサシの投げた黄金の刀が、ワルキューレに刺さっている。 不思議なことに像から光が湧いて、それが刀身へと吸い込まれているように見えた。 わずかに間を置いて、力を失ったワルキューレは崩れ消滅していった。 刀はまるで魔法のように宙を舞い、持ち主である少年の手元へ戻って行く。 その顔は、静かな怒りを秘めているようにも見える。 ギーシュも生徒たちも皆言葉を失い、見ていることしかできなかった。 「女を泣かせてあげくに手を上げるなんて、色男が聞いてあきれるぜッ!!」 「ぐ、ううッ!!」 今の不思議な出来事を問いただす気にもなれない。 終わった、とギーシュはそう思った。 初めは単なる八つ当たり、あんなチビならば赤子の手をひねるよりも容易い。 そう思ったのが、愚かな選択の始まりだったのかもしれない。 その結果がこの醜態だ、明日からは男子連中から後ろ指を刺され、麗しい女子には背を向けられるに違いない。 ルイズを笑える立場では無くなるだろう、ギーシュは絶望し、がくりと膝を折ってしまった。 予想外の展開に辺りがざわつく中、少年はツカツカと歩み寄りギーシュの手から薔薇の造花を奪い取った。 「……僕の、負けだ……さあ、どうとでもするが……」 「おし、じゃあ決闘だ!!」 「……は?」 ムサシはギーシュの杖である薔薇をぽいっと投げ捨てながら、そう言った。 手に持っていたワルキューレの剣が、差し出される。 「け、決闘ならたった今……」 「何言ってやがる!!」 ギーシュの背筋を悪寒が駆け抜ける、まさかこの少年はまだ自分を許す気は無いのだろうか。 まいったと言っても、こてんぱんに叩きのめす気なのでは無いかと想像して身震いした。 だが、その考えが杞憂であるとすぐに理解した。 「花うらないや人形遊びはここまでだ!!男の決闘ってのは……」 そう、コジローの持ちかけた花うらないでの決闘なんかでは無い。 自分が望むのはこういうものだ。 そう思ったムサシはギーシュの手にむりやり剣を握らせ、距離を取る。 振り返り切っ先を向け、白い歯を見せて笑った。 「剣でするもんだろ?お武家様なら、なおさらな」 ギーシュは剣を手にしたまましばし呆然としていた。 しかし、やがて悟って薄く微笑む。 ムサシに悪意は感じない、そしてどこまでも真っ直ぐな眼差し。 彼はただ、どこまでも決闘を欲しているのだ。 痛めつけたい、屈服させたいという自分の下卑た欲求とはまた違う、ただ、剣を振るう兵法者としての、純粋な思い。 強くありたい。 この身に流れる血故か、ギーシュにもそれが今なら理解できた。 「……我が名はギーシュ、ギーシュ・ド・グラモン。一対一、剣と剣での穢れない純然たる決闘を……受けて立とう」 ギーシュの顔つきが変わった。 周囲を囲んだ女子生徒や、恋いて止まないモンモランシー、そして立ち向かうムサシにもそれが解った。 決闘を望んでいなかったルイズですら、今や言葉を挟む気にはならない。 場が、戦場のそれと同じく張り詰める。 ムサシが剣を両手で正眼に構える、ギーシュもまた、不恰好ながらその腰は引けていなかった。 「……」 「……勝負ーーーッ!!!」 動いたのは、ギーシュが先だった。 いつもの格好つけた立ち振る舞いではない、細身には似合わぬ剣を腰だめに構えて、ただ愚直に突っ込む。 二人の剣士は、交錯した。 「……」 「……ぐッ」 ギーシュが倒れた。 観衆に驚きが伝染する。 「おい、ギーシュがやられた!!」 「マジかよ!」 「ムサシ!」 「ギーシュ!ギーシュ!!」 ルイズと、金髪を巻き毛にした女子生徒が人ごみから飛び出る。 ムサシはああ、ギーシュをひっぱたいたあの子か、と思い出した。 「ムサシ、あんた……」 ルイズは迷った。 決闘に勝つだなんて思わなかった。 『勝って』と望んでしまったのは自分、しかしギーシュは犠牲となったのだ。 叱咤も激励も、喉に詰まる。 「よくも、よくもギーシュを!!」 「そ、そうだわ……はやく医務室へ」 「おいおい、落ち着けって」 モンモランシーは横たわるギーシュの頭を抱きすくめ、涙まで零して怒る。 ルイズは焦った、その叫びにようやく級友の命の危機を感じたのだった。 虐めを受けたとは言えど、ルイズはそこまで冷酷にはなれない。 と、ギーシュがかすかに身じろいだ。 「……う、う~ん……す、すまないモンモランシー君には寂しい思いをさせてしまった…… 僕という輝ける存在を失っても君はきっと輝ける最高の女性になるだろう……なぜなら 君は光を失っても輝ける、僕にとっての太陽のような女性だったから……ああ……せめて 最後は君の胸の中で……」 「ムダに長くしゃべる元気はあるじゃないのよぉーーーッ!!」 「安心しな、『みねうち』だゼ!」 「それならそうと言いなさいこのバカチビーーーーーッ!!!」 ギーシュとムサシ、二人の頭がスパーーーンと気持よく音を立てる。 ムサシはケラケラ笑い、ルイズも気づいたときには笑っていた。 ギャラリーも大いに沸き、気がつけば決闘の刺々しい空気はどこかへ立ち消えていた。 『ゲット・イン』みねうち。 雷光丸に秘められた神秘の能力、敵の力を奪いとり己がものとする魔法。 先ほどのワルキューレから奪い取った能力で、ギーシュを傷つけることなく無力化したのだった。 「あいたたた、慣れないことはするものじゃないね……ああモンモランシー、自分で立てるよ」 「いい戦いだったゼ!」 「はは、完敗だったよ……だが、不思議と悪くない気分だ」 よろよろと立ち上がったギーシュ、どうやら傷は浅いらしい。 その表情は晴れやかだった。 「おいらはいつでも相手になるからさ、またやろうぜ!!」 ムサシもまた晴れやかな表情で、手を差し出した。 この少年は今の今まで剣を交えた自分と、今度は手を取り合うと言う。 今までの自分がずいぶんと小さい存在に思えて、ギーシュは苦笑した。 すべてを反省し、少年のあたたかな手に手を重ねる。 「君には敵いそうもないが……よろしくたのむ。そしてすまなかった、ムサシくん」 「ムサシでいいぜ!それよか、謝る相手を間違っちゃいねえか?」 自分よりはるかに小さな少年に頭を下げるギーシュ。 あっぱれだという声が、周囲から乱れ飛ぶ。 今ここにルイズを、ギーシュを笑う者は、いなくなっていた。 そのギーシュはというと、ムサシの声に顔を上げる。 ルイズとモンモランシー、謝罪すべき双方がそこにいた。 「あらら、あのギーシュがルイズに謝るなんて。こりゃ明日は雨かしら、ね?」 ギーシュの謝罪は、すぐにとは言わないがきっとルイズと皆の関係を変える切っ掛けとなるだろう。 視線を落とすと、親友は少年の方をじっと見つめていて反応が帰ってこない。 春が来たのかしらとからかい半分に微笑んだ。 しかし、タバサが見つめているのは彼の武器の方だったと、誰が気づいただろうか。 向き直ってルイズを見ると、使い魔をぽかぽかとぶっている。 しかしその顔は本当に心配していたようだ、ムサシも解っているらしい。 ギーシュがモンモランシーに謝罪している、その饒舌さが災いして平手を食らっていた。 また観客がどっと沸く。 その声に紛れてキュルケは隣の友人にすら聞こえないほど小さく、つぶやいた。 ケンカ友達の、照れ混じりの祝福だった。 「ルイズ、けっこうイケてる使い魔じゃないの。……おめでと」 オスマンとコルベールは『遠見の鏡』から目を外した。 年端もいかぬ少年が、メイジに勝った。 『ガンダールヴ』の力はやはり本当、というのが二人の結論であった。 「左手に剣を持った時、輝いておりましたね」 「うむ、ルーンの効力もあるじゃろうがあの少年、かなりのもんじゃぞ」 オスマンはほっほっほと笑っている。 コルベールが笑い事ではありません、とたしなめた。 「始祖ブリミルの使い魔であるガンダールヴと同じルーンを持つ使い魔……王室に報告すべきではないかと思うのです」 「何を言うとる」 今度はオスマンがたしなめる番だった。 仮に本物の『ガンダールヴ』であればその力を利用、ないしは悪用する連中が湧いてでるに違いない。 今は他言無用、とオスマンは威厳たっぷりに言った。 「はっ、いささか浅慮でありました。オールド・オスマン」 「よいよい」 「では、私はもう少し独自に調べてまいりましょう。失礼致します」 コルベールが退室し、静まり返る学長室。 使い魔のねずみを指先であやしながら、独りごちた。 「……名前まで同じとは、偶然かのう」 前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/339.html
「『巨人の剣』が盗まれたそうじゃなコルベール君」 オールド・オスマンが髭を撫でながら何時もより低い声で言うとコルベールは禿からでる冷や汗をハンカチで拭き取った 「はい、犯人は今貴族の間で被害が多い『土くれのフーケ』だそうです。宝物庫の壁にそう刻まれていました」 「ふむ・・・・、で目撃者がいるそうじゃが」 「はい、二年生のミス・ツェルプトー、タバサ、それとミス・ヴァリエールです」 するとオスマンはピクッとした 「今なんと言った?」 「はい?二年生の」 「違う最後に言った生徒じゃ」 「ミス・ヴァリエールですか?」 「彼女の使い魔もその場に居たのか?」 「さあ?使い魔は目撃者に入りませんから」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 第5話 甦る天空よりの使者 「これが昨日の事件の目撃者三人です」 そう言ってコルベールが深刻な顔をした教師達の前にルイズ、キュルケ、タバサ、使い魔なので数えられてロムを連れてくる 「ふむ・・・・、では君たちが見た事を詳しく説明したまえ」 ルイズが前に出て見たことを述べていった 「あの、大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。肩に乗っていた黒いメイジが何かを・・・・ その・・・・『巨人の剣』だと思うのですがとにかくゴーレムが崩れ去った後もうそこには黒いメイジは居なかったのです」 「ふむ・・・・、後を追おうと思うにも手がかりは無しか・・・・」 オスマンが髭を撫でて頷く、そしてコルベールに尋ねた 「時に、ミス・ロングビルはどうしたね?」 「それが、朝から姿が見えなくて」 「この非常時に何処へ行ったのじゃ?」 そんな風に噂をしていると、ミス・ロングビルが現れた 「ミス・ロングヒル!こんな大変な時に何処へ行っていたのですか!」 コルベールが捲し立てるがロングヒルは落ち着きながらオスマンに告げた 「申し訳ありません。朝から急いで調査していたもので。犯人が国を荒らし回っているフーケの仕業と聞き、直ぐに調査してきました。」 「仕事が早いの。で、結果は?」 「はい、フーケの居どころがわかりました。」 「なんとー!」 コルベールがすっとんきょうな声をあげた、ロングビルは続けて言う 「近所の農民に聞き込みをした所、どうやら森のの廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです」 (男?剣を投げた時に見せた顔、あれは男だったのか?顔つきから女だと思っていたが・・・・) ロムが疑問に思っているとルイズが叫んだ 「間違い無いです!黒づくめのメイジ・・・・、それがフーケです!」 オスマンは目を鋭くしてミス・ロングビルに尋ねた 「そこは近いのかね?」 「馬で四時間という所でしょう」 「ではすぐに王室に報告して衛士隊を!」 コルベールが叫ぶとオスマンは目を向いて怒鳴った 「馬鹿者!王室なんぞに知らせる内にフーケは逃げてしまうわ!身に振りかかる火の粉を払えないようでは何が貴族じゃ! この学院で起きた事件なら当然我らで解決する!」 ミス・ロングビルは微笑んだ。まるでこの答を待っていたかのように オスマンは咳払いをすると有志を募った 「では捜索隊を編成する。我はと思う者は杖を掲げよ」 掲げたのはルイズ、キュルケ、タバサであった 「ふむ、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つだと聞いているが」 タバサは返事もせずに突っ立っていたが教師達は驚いて彼女を見つめた 「本当なのタバサ?シュバリエって余程の実力がなきゃ貰えない称号じゃない!」 驚くキュルケに対してオスマンは更に語る 「ミス・ツェルプトーはゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、自身も炎の魔法に長けると聞いておるが?」 キュルケは得意気に髪をかき揚げる それからルイズは次は自分の番だと胸を張るが、オスマンは困った顔で目を逸らし 「その・・・・ミス・ヴァリエールは数多くの優秀なメイジを輩出したヴァリエール家の息女で、うむ、なんだ 将来有望なメイジと聞いておる、してその使い魔は」 オスマンは後ろで立っていたロムを見る 「平民ながらあのグラモン元帥の息子であるギーシュ・ド・グラモンに決闘して勝ったと聞く」 「ああ!そうですぞなんせ彼はガンダー、ハッ!」 コルベールは思い付いたように言おうとするが止めた 「魔法学院は諸君の活躍期待しておる。頑張ってくれ」 ルイズとキュルケとタバサは真顔となって「杖にかけて!」と唱和し、一礼した 「では馬車を用意しよう。ミス・ロングビル、目的の場所までの案内を頼むぞ、彼女達を助けてやってくれ」 「はい、オールド・オスマン」 「では解散!」 それぞれが部屋を後にするがオスマンが言う 「ああ、ミス・ヴァリエールの使い魔君、君だけは残ってくれ。君に話がある」 「学院長、こいつに何の様で?」 ルイズがきょとんとした顔で尋ねる 「ああ、悪いようにはせんよ。すぐに終るから」 そして部屋にロムとオスマンだけが残った。そして「俺に何か?」 「君は異世界から来た使い魔で人間では無いと聞く」 ロムはああっと頷いた 「・・・・もしこの事件が無事に解決したらワシの下に来てくれ。では頼んだぞ」 そしてロムは退室した。外でルイズに失礼はしなかったかと怒鳴られていた 「頼んだぞ、ガンダールヴ」 「ミス・ロングビル、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」 「いいのです、私は貴族の名を無くした者ですから」尋ねたキュルケはきょとんとした 「だって貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」 「ええ、でもオスマン氏は貴族や平民だということにあまり拘らない人ですわ」 「もし宜しければ事情を詳しく・・・・」 するとキュルケはルイズに肩を掴まれた。 キュルケは振り返ってルイズを睨んだ 「なによヴァリエール」 「よしなさいよ昔の事を聞き出そうとするなんて」 「暇だからおしゃべりしようと思っただけじゃないの」 「あんたの国じゃどうか知りませんけどこのトリステインでは恥ずべきことなのよ」 キュルケはつまらなさそうに足を組んで言った 「ったく、何が悲しくて泥棒退治なんか」 ルイズはキュルケをじっと睨んだ 「だったら志願しなきゃよかったじゃない」 「あんた一人じゃロムが危険じゃない。ゼロなんだから直ぐにロムの足を引っ張っちゃうでしょ」 「なんですって~!!」 二人が火花を散らしている間にタバサは相変わらず本を読んでいる。 空には彼女の風竜が飛んでいた 「二人共そろそろやめにしとけ」 ロムが二人を宥める。腕の中にはデルフリンガーがあった 「ま、いいけどね。せいぜい怪我しないようにね」 キュルケがそういうと手をひらひらさせた、ルイズはぐっと唇を噛んでいる 「ねえ、ダーリン?もしもフーケが襲ってきたら私が炎で助けてあげるからね?」 キュルケが色目でロムに近づく 「あ、ああ」 「もうすぐですよ皆さん」 ロングビルが自分の後ろにいる乗組員に言う 「それにしても『巨人の剣』って一体どんな物なのでしょうか?」 ロングビルが続けて尋ねる 「う~ん、見た感じ巨人が持つ、て感じの物ではなかったわ。大きさも1メイルほどしかなかった」 ルイズが問いかけに答える 「・・・・・・・・」 「どうしたのダーリン?急に恐い顔になって」 「・・・・いや、なんでもない」 「見えてきました。あれです」 馬車から降りて暫く歩いた後、一行は開けた場所に出た その中心には確かに廃屋があった 「私の情報によりますと中にいるという話です」 ロングヒルが指を差して言った。本当にフーケはあの中に要るのだろうか、それぞれが相談する 「よしわかった。合図したら皆は直ぐに来てくれ」 作戦の結果ロムは小屋の偵察に行くことになった ロムはあっと言う間に着き、窓に近づいて中を覗く 家具や酒ビンが転がっている以外何もない さらにドアの前に立ち、その奥を覗くがやはり誰も居なかった 暫く考えた後、ロムは腕を交差させ、皆を読んだ 隠れていた全員が出てきて小屋の前に来た 「では私はこの辺りを偵察してきますので」 ロングビルはそう言うと森の中に消えた 「これ」 「あっけないわね!」 タバサが持ってきたのは1メイルほどの細長い箱、それを開けると中には木の杖が現れた 「・・・・これが『巨人の剣』か?」 ロムの問いかけにタバサがコクッと頷く 「うーんそうみたいね、私もちゃんと見たのは初めてなんだけど・・・・、剣じゃないわね・・・・」 (馬鹿な・・・・しかしこれは・・・・!) 「ねーえ、私にも見せてー!」 外で見張りをしているルイズが大声を出すと足下が急に盛り上がってきた 「きゃあああああ!」 「「「!?」」」 一斉にドアを振り向くとそこにはフーケの巨大ゴーレム「ゴーレム!この前より、大きい!!」 キュルケが叫ぶ、確かにゴーレムは昨日よりさらに大きくなっていた タバサは呪文を唱えて小さな竜巻をゴーレムにぶつける、しかしびくともしない 更にキュルケが杖を振り、火炎を出すがこれも無駄だった 「無理よこんなの!」 「退却」 タバサは口笛を吹いて風竜を呼び、キュルケと共に乗った ルイズは呪文を唱えて杖を振り、ゴーレムの胸元を爆発させるが効かない そしてゴーレムはルイズを踏み潰そうとする 「いやあああああ!」 「マスター危ない!」 間一髪の所ルイズを救出するロム 「逃げろマスター!」 ルイズは唇を噛んだ 「いやよ!あいつを捕まえれば誰ももう私をゼロのルイズなんて呼ばないでしょ!」 目が真剣であった 「しかし死んだら元も子もない!」 「やってみなきゃわからないじゃない!」 更にルイズは言う 「あんた言ったじゃないの!どんな夜にでも必ず朝が来るって!私は自分の夜を掻き消したいの!朝を迎えたいの!」 「言ったが今は!」 「わたしは貴族よ!魔法を使える者を貴族と呼ぶんじゃないの!」 ルイズは杖を再び握り締める 「敵に後ろを見せない者、それを『貴族』というのよ!」 ルイズは再び詠唱を初め、杖を振った そしてゴーレムの胸が小さく爆発したがそれだけで終わった ゴーレムはルイズを敵と見なし、踏み潰そうとするがロムがルイズの体を抱え離脱する するとロムはルイズの頬を叩いた 「さっきも言ったはずだ!死んだら終わりなんだ!君はここで終わる人間では無いだろう!?」 ルイズは震えながら泣いた 「だって・・・・悔しくて、私・・・・、いっつもバカにされて・・・・」 目の前で泣かれてロムは困った いっつもゼロゼロと呼ばれて悔しかったに違いない ルイズは気が強くいが、本当はこんな戦いなんか嫌いな少女、ただの女の子なんだ しかし今は泣いているルイズを慰める暇はない、大きなゴーレムが拳を向けていた しかし今は泣いているルイズを慰める暇はない、大きなゴーレムが拳を向けていた すると目の前で竜巻が起こりゴーレムが怯んだ 起こしたのはタバサだった 「乗って!」 タバサは二人の前に風竜を着陸させる ロムは泣いているルイズを風竜に乗せた 「あなたも早く」 焦る声でタバサが言う 「いや、俺は残って奴を何とかする」 「ロム!」 ルイズが怒鳴るが 「俺は戻る。必ずな。俺は君の使い魔だから」 「危ない!」 キュルケが声を出す、ゴーレムが拳を出そうとしていた 声と同時に風竜は飛び、ロムは一番高い木まで高くジャンプした 木の上に乗ったロムが言う 「闇を裂き、悪を裂き、正義の道を切り開く! 人、それを『闘志』という!」 「!?」 「貴様に名乗る名前は無い!!」